土肥101営業終了に

残念なお知らせがありました。

土肥のダイビングの窓口である土肥101が後1ヶ月後の12月31日をもって営業を終了するとのことです。

今日土肥101のホームページにもそのお知らせが出されたので自分もこれを書いています。

自分は土肥在住のダイビングショップということで101総支配人の早川さんに少し前に話をしてもらいました。
ウチの場合、土肥のダイビングショップと言っても土肥オンリーではなくむしろ多くの日を土肥以外いろんなエリアに潜りに行っているようなダイビング屋なのに早川さんはじめスタッフの皆さんには今回も、今までもずっと地元のショップとして付き合っていただいたことに感謝しかありません。

今回の営業終了するに至った経緯についてもある程度は話してくれましたが中途半端な認識で書くことになると困るのでここでは控えさせてください。
ただ、やはりダイビングブームが去って久しく、ダイバーの数も20年前に比べればかなり少なくなっているのは間違いありません。
そして今年のコロナ禍… それが直接の原因や引き金になったかはわかりませんが大きな影響を受けたことは想像に難くありません。

自分自身ろくに貢献もできまかったのですが、土肥に拠点おいて20年、今は本当に寂しいです。



–101とのかかわり–
土肥101は大企業ブリジストンを母体として1988年にスタートしました。(年度など思い違いがあったらすみません)
当時横浜のダイビングショップに勤めていた僕は土肥にダイビングポイントと施設ができると聞いて土肥101が開催したオープン前の視察会にも行きました。
水深4mのダイビングプールと足が立つ深さで長さ25mプールの2面のプールや大変きれいな施設に驚いたものです。

その当時、伊豆半島には今ほどダイビングエリアは多くなかったんです。
古くからの雲見や熱海、大瀬崎、海洋公園などはあったけどその他スポットもその頃からポツポツ開かれ始めたのでした。

通り崎ビーチ。
釣り堀とダイビングステージがあります。

その後、土肥101はブリジストンの手を離れて、経営はビーイズムとなり、数年前にはスポーツクラブ大手のセントラルスポーツへとかわり運営していました。

大きな企業は撤収もはやいものですね。

ところで、自分は1989年は土肥で開催されたNAUIインストラクターのトレーニングコース(ITC)に参加しインストラクターになりました。
当時「NAUI」は日本にいくつかあったダイビング指導団体の中でも硬派な団体として認識されていたと思います。
日本と書きましたが、モルディブに行ったときにロシア人ガイドにNAUIは厳しいんだよねみたいなことを言われて「海外でもそういう評判なんだな」と感じたものです。
いいか悪いかはわかりませんが、いまのNAUIは硬派なイメージはないですよね。

さて、土肥101。海はもちろんプール2面あってトレーニングに最適な土肥101は便利な反面トレーニングを受ける受講生にはたいへんな場所と言えたかもしれません。
NAUIインストラクターになるためのトレーニングコースは約10日間、毎日夕方にはひたすらダッシュダッシュで泳がされました。
教官が言うには、レスキューでの人工呼吸しながらの曳航になったときに息が乱れては正確な人工呼吸はできない。だから鍛えるんだとのこと・・
また、夜の9時くらいにプール集合なんて言うこともありました。
もちろん照明はなく真っ暗な4mプールでいきなりマスクやレギュを剥ぎ取られたりバルブを閉められり。
実際の海では想定内のことだけ起こるとは限らないので読めない展開もいい経験だったと思いましたけど。
もっとも、そのときは無礼講状態になって教官たちへの反撃OKで暗闇での水中バトルになって緊張しっぱなしのコース期間の中の楽しい時間でもありました。

余談ですが、そのコースの際に受講生が宿泊した建物は現在のイワシハウスなんです。その時は将来そこに住むとは思いもしませんでしたが。

その後自分的には沖縄へ働きに行っていた期間を経て、1994年にイワシダイバーズとして独立しました。
当初は東京調布だったり横浜駅東口にあったイワシダイバーズですが西伊豆のあちこちのポイント、南伊豆、東伊豆に行く中で土肥にもよく来たものです。
ボートポイント小下田地区のような意外と(いまだに?)知られていないポイントの素晴らしさ、講習する際の圧倒的な使いやすさによるものです。

透明度は常に20m以上!

 



イワシダイバーズとして、スタート当初(その前のダイビングショップ勤務時代からでもありますが)からトカラ列島やソーフ岩がある豆南諸島、少し後の2000年スタートする薩南海域ツアーなどに興味を持っていただいた方が経験本数やスキルがまだ届かないとしても土肥101のプールで必要なトレーニングがとても効率よくできることがウチがより土肥へ来る頻度があがりついには移転してしまう理由でした。

もちろん土肥小下田の海が好きなのもありましたが、望んでいただいた多くの方を秘境の海でもご案内するために土肥に来たとも言えるのです。

たとえ経験本数30本程度だとしてもがんばったメンバーのみなさんが必要なスキルを身につければ十分そうした秘境ツアーに参加していただき潮流があったとしても、潜降、浮上の際ににつかまれるアンカーロープなどなくてもどんどん飛び込んでいけるのです。

ウチは現地ダイビングサービスではなくダイビングショップ、ツワモノダイバーだけを集めてそうしたツアーをやっているわけじゃないって矜持を持てたのも土肥101あってこそだったのです。

もっとも何百本と経験本数があっても中にはとっても非効率で限界性能が高くないダイバー(パワーで潜るだけだったりウエイトの重さに頼った潜りだったり)もいるのはさんざん見てきていました。
海での経験を繰り返すことは絶対条件ではありますが、加えてプールならエントリー即潜降や即潜降の失敗を想定しての練習、いろんな体勢やタイミングからでもスムーズで自在なヘッドファーストなどなど必要なスキルの練習に何回でもトライできるのが本当にいい環境だったと思っています。

暑い季節はプールが気持ちいい! つい泳いで潜って遊ぶからそれでまた上手くなる

 

4mプールはボートダイビングを想定しての練習もできます

 

バックロールもプールで練習

 

プールでバックロール、海でも実践。講習からビーチ対応もボート対応も



4mプールの壁には泳ぐ姿を見られる鏡も設置されてて、しっかり水を蹴れていないフィンキックや抵抗の大きい立った姿勢などだったとしても自分で見ることができるのでそこも効果的でした。他人におかしいよと指摘されたって「自分はちゃんとできてるはずだし!」って思いがちですしね。

自分の泳ぐ姿が見られる鏡

 

 

 

通り崎ビーチにて

 

 

 

 

 

 

通り崎ビーチのそばには駿河湾フェリーの土肥港があります。

…………………

今日現在、土肥101はプールのある施設ではなく、土肥の海水浴場近くの「ビーチベース店」で営業しています。
そのビーチベース店もセントラルスポーツ土肥101としてはあと1ヶ月後に営業は終了するようです。

思い出いっぱいの土肥のプールにはすでに飛び込むことはできないんですよね。オヤジながら少なからず感傷的な気分になります。


そしてそして、プールは飛び込めないにしても今後土肥の海には潜れなくなってしまうのか?

何らかの形でポイントとして残るかもしれません。残そうとしている人たちもいます。
どんな形になるのかはいまのといころは何も決まっているわけではないようですが。

それでも、来春からかどうかはわかりませんがまた土肥の海へのご案内をさせていただけることを願っています。

まとまりもない投稿になりましたが、またご案内させていただきますね。

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