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7月20日〜24日
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波を乗り越え
トカラ列島へのスタートはなかなかの波でした。南西からの波で船も揺られながら走ります。例年なら台風接近でもない限りこの時期にこんな海況はないのですが... 九州南部の梅雨明けもまだなんて本当にヘンな年です。 トカラに行っている間もラジオやテレビはしきりに鹿児島の大雨災害を報道していました。口永良部島やトカラ列島は前半風は吹いていましたが天気には恵まれていました。 そんな中私たちはスタートして口永良部島まで来ることができました。 |
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口永良部島は東西に長い島です。南西からの波も受けない場所にも潜る場所はあります。まずは足慣らしも兼ねて穏やかな場所に飛び込みました。昨年の1本目もここでした。キンギョハナダイやカスミチョウチョウウオなどが群れています。ハナゴイもこんなに群れる場所は珍しい。まったりゆったり潜りました。でもイソマグロやロウニンアジの編隊なんかも普通に通ったりします。 |
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宿はトカラに来たことのあるメンバーにはすっかり人気の民宿です。ご主人が学校の廃材で7年がかりで建てたという宿です。テラスからは明るいうちは海が望め、夜は星がいっぱい見ることができました。開放感たっぷりで最高に居心地の良い宿です。
ところで口永良部島ってあちこちでシカに会います。種類はヤクシカ(屋久鹿)だそうです。 |
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2日目、トカラ突入できず
2日目はいよいよトカラ列島に入ってゆく...はずだったのですが。朝船に行くと「風が強まって波が高くトカラまで走れない」とのこと。残念ですが自然には逆らえません。幸いにもみんなお気に入りの民宿も急遽の連泊OKでした。 この日は口永良部島の北側の海でのダイビング。なかなかダイナミックな場所やまったりポイントで潜りました。あいかわらずイソマグロくらいなら珍しくもありません。さすがトカラ(あ、まだトカラではありませんね)。 それにしても夜光貝がよく見つかります。殻がきれいで人気のあるこの貝は沖縄あたりではもうなかなか目に付くことはありません。 |
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あれ、混浴!?
この海域の島々の特徴のひとつは温泉です。口永良部島の温泉はとりわけ良いお湯です。1日目は港に上がったら歩いて湯向温泉に行きました。ここはお湯に湯の花が舞い湯温も気持ちよいものでした。 そしてトカラに渡れなかった2日目は寝待温泉に。温泉の建物は数年前に立て替えられた新しいものです。湯船のある場所は低くて海面と同じくらいかと思われるくらいです。温泉に行く途中の道には小屋?が並んでいます。湯治の人が滞在するための建物だそうです。島の人によるとここのお湯は特に泉質が良いそうで九州でも指折りの温泉だそうです。 さてさて、ここは立て替えられた後は男女別のお風呂になっています。ウチのメンバーも当然男女に分かれてお風呂に入りましたが「!?」 男風呂に地元のおばさん数人が。あまりに当たり前のように入っていたので私たちも恥ずかしながらお邪魔しました。そのおばさんたちはもちろん何も気にすることなく「お腹に良いからお湯を飲んでみなさい」などとアドバイスをくれたり。(ちなみに下の写真はおばさんたちは上がった後の撮影です) |
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やっとトカラに
3日目、まだ南西からの風はありますが船を走らせるくらいになったのでいよいよトカラに向かうことに。トカラ列島は北は口之島から始まります。今日の泊まりは口之島ですがダイビングは中之島へ。昨年も潜った草瀬はさすがトカラといった海でした。テングハギモドキの大群やウメイロモドキの群れ。そしてやっぱり海の色は吸い込まれそうなトカラブルー! |
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口之島にて
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野生牛!
口之島でセランマ温泉に行く途中、なんと野牛グループに出会いました。野生の牛はとても珍しく日本ではここにしかいません。野生牛といっても明治だか大正時代に逃げた(放された?)牛だそうです。正確には野生化牛と呼ぶそうです。でも和牛の原型をとどめる貴重な牛とのことです。なんだかとても精悍に見えました。 |
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エンジンかかってきた!
4日目は口之島のポイントから。まだ風があるので陰になる静かな場所で潜ります。トカラのイメージらしくないけど(勝手なイメージ?)白い砂地とサンゴのきれいな瀬が延びる場所です。サンゴはサンゴ礁ではないもののじつにきれいです。何度かカメにも会いました。砂地にはガーデンイールもたくさんニョロニョロしていました。 2本目はなんとなくマシになった風に臥蛇島に行くことに! トカラのシンボルのひとつともいえる臥蛇島とそこに聳え立つ木場の立神岩。とにかく行ってみることに。臥蛇に向かう途中見る見る海の色が吸い込まれそうなブルーになってきます。バリバリ黒潮って感じです! ただ潮流もバリバリ黒潮って感じです... そこらじゅう潮波が盛り上がっています。 木場の立神岩も潮波がすごいのですがエントリーしたい場所はなんとか大丈夫そう。緊張しながらも飛び込みました。真っ青な海は最高です。水温は29〜30℃。ありゃ〜高すぎだよ。去年は背景のように群れていたトカラ名物ギンガメアジは深い場所で群れていました。テングハギモドキやウメイロモドキはあいかわらずたくさんでした。そのあと当然のようにあるダウンカレントをしのいで安全停止に入ります。潮流で大きな洗濯板のようになった水面も安全停止でやりすごして浮上するとスゴイ距離を流されていました。ずっと船の音を聞きながらだったのではぐれる心配はなかったのですがさすがの潮流にビックリでした。 |
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興奮の雄神瀬
当初今回のクルーズでは中之島にベースを置いて臥蛇島周辺を楽しみたいと思っていました。ところが海況に恵まれず口永良部島で足止めされたりしてそのことはすっかり諦めていました。ところがここへきて臥蛇島にも来れました。そこで調子に乗って小臥蛇島の近くにある沈み瀬(隠れ根)である「雄神瀬」の様子を見てみようということに。黒潮本流が流れる海域にある沈み瀬は常に潮流がゴウゴウと流れています。よほどのコンディションが揃わないと潜れない場所です。自分自身もずっとあこがれながら潜ったことのない場所です。ダメもとでその場所に行ってみると潮流はそれほどではない様子。風も弱まり絶好のチャンスといったコンディションです。 緊張しながらみんながんばって飛び込みました!いきなりツムブリの群れ、わきあがるテングハギモドキの壁、イソマグロ編隊、ギンガメアジ群れ(水温が高くやっぱり深い場所だったけどいっぱい)などなど。こんなコンディションで潜ることができて興奮の雄神瀬でした。 |
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4泊目は2泊目に来るはずだった中之島に泊まることができました。変更につぐ変更に対応してくれた船や現地の人たちの配慮に感謝です。中之島でももちろん温泉(西温泉)に行って今日の宿へ。一昨年にも泊まった高原にある海游倶楽部という宿です。トカラらしからぬさわやかな気候とおいしい食事(イタリアン、焼きたてパンもおいしい!)がなんともうれしい宿です。
夜には九州でも指折りの大きさの望遠鏡のある天文台に見学に行きました。残念ながら薄曇りで星は見えませんでしたが迫力の望遠鏡に感心しきりでした。 |
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最終日はトカラの北の端にある岩礁ニヨンに潜りました。ここも潮流が速くなかなか緊張のエントリーとなりましたが飛び込んでみるとギンガメアジをはじめ魚群たっぷりです!ここの名物ムレハタタテダイはちょっと少ないかなと思いましたがそれでもいっぱい。ツムブリ、イソマグロも群れで通ります。ここは水中も明るいのですが潮流も速く魚もとても多い場所です。でも風や波から隠れる場所がないのでコンディションが良くないと潜れないです。前半は時化た今回はそれを実感しちゃいましたね。
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最終日はちょっとハプニングがあったりして空港まで大慌てだったりしましたが終わってみればどれも笑える思い出になったかも。
海況や潮流などきびしい条件もある海域ですがダイバーとしてこんな素晴らしい自然を目指せたことはなんと幸せなことでしょう。もちろんどんなダイビングをするのもどこの海に行くのもそれぞれの人の好みです。しかしダイナミックな陸上とそれに続く海中の地形。夏以外に人が潜る(しかもほんの一握りの人が潜るだけ)ことを拒否する手付かずの海。黒潮本流が流れる抜群の透明度。そして観光の雰囲気などしない素朴な島々。 今年のトカラも素晴らしかった! チャンスがあるなら本物の自然に触れてみたいといつも思っています。そしてこんな海に今年も行けた私たちは本当に幸せでした。 |
おわり
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